大阪府全体を見ると、府の人口に占める65歳以上の割合は全体の26%程度です。これは全国平均と比較しても高く、国連による定義では超高齢社会に分類されるほどです。
しかし大阪府の中には、高齢者の占める割合が低い市町村もあれば、平均よりも高いエリアもあります。府内の中で最も高齢者が占める割合が低いのは、大阪市の西区で16%程度です。同市内の中央区や浪速区、北区や天王寺区なども低く、どれも18%から19%です。
その一方で、府内で最も高齢者の占める割合が高いのは千早赤阪村です。この地事態では、全体のなんと41%は65歳以上の高齢者です。また大阪市は全般的に高齢者が少ない傾向にあるものの、西成区は37%が高齢者、生野区は31%、そして大正区は30%と高く、市内でもエリアによって高齢者の割合が大きく異なっています。
地理的な条件と高齢者の割合を見ると、府内の中でも大阪市や近郊のエリアは高齢者の割合は低く、大阪市から離れるほど高くなる傾向があります。
こうした現状を改善すべく、大阪府では府をあげて戦略的な取り組みを行っています。この取り組みでは、府や各市町村、そして民間の介護サービス事業者や介護士養成機関など介護にかかわる幅広い機関が一体となり、府内でニーズが高まる介護サービスや地域密着型サービスの提供を行います。現在、この戦略的な取り組みは5年間と設定されているものの、状況やニーズに応じて調整することも視野に入っています。今後、大阪府で高まる介護に関する課題がどのように改善されていくのか、多くの都道府県が注目しています。